猛暑襲来
ついに夏になってしまった。
完全に。
毎年夏といかに戦い夏をどうやって過ごすのかは
大きな課題で、夏の終わりにはたいていボロボロになって
怨嗟をもって秋に変わるのを待つようになる気がする。
戦わず、夏に親しみ夏を楽しむのは理想だが、
どのみち灼かれすり減り、体力の消耗と老化の加速を感じる
夏場にあっては、ひたすら頭を低くして
夏にへつらいへりくだって極力穏便に
夏に過ぎ去っていただくしかないのかもしれない。
今日もまだ涼しいうちにと思って午前中に出かけたのはいいが、
調子に乗って少し遠くに行ってしまって
帰りには炎天行軍を余儀なくされてしまった。
ついこの前まではやっと生えそろったきれいな緑の野原と
思っていたところもいまや、
乱暴にのびた夏草と乾燥した地面が
じりじりと熱気を立ち上らせて我が身を灼き包むのだった。
草いきれ土埃吸う夏野かな