六月の偏屈と貧乏性
夏至の時期というのが嫌いだ。
昼がむやみに長くて、いつまでもアクセル・オンで働け
といわれているような気がするのが気にくわない。
明るい外を歩いていると知り合いと会ったり、
知らない奴がいつまでも近所を徘徊しているのを
目にしたりするのもいい気分がしない。
しかし、日本は善くできたもので、
この時期は梅雨の時季でもあり、
雨や曇りで何とか私の精神のバランスがとれている。
雨は内と外とを柔らかに遮るベールとして、
外向けに活性化した精神を鎮めてくれ、
何より雨が降っていれば出歩く人間も少なく、
雲が垂れ込めているので日の長いのも
よくわからない。
そうその通り、
私も世の中に一定数存在する雨好きの人間嫌いなのである。
しとしと雨の日の散歩、
雨音を聴きながら窓辺で読書、
ただぼーっと雨を眺めていてもいい。
水気をたっぷりはらんだ六月の緑はいきいきと美しい。
なんて穏やかな天水の恵み。
でも雨の日にやりたいことはとても多いので
なかなかのんびりとはいかないのが
困ったところなのだけれど。