冬へ向かう
季節は行きつ戻りつしつつも確実に冬へと進んでいる。仕事や旅行であちこちに行くこともあるので、よけい季節の行ったり来たりを感じるようだ。
11月○日
秋も終盤はとにかく夜が長く、読書の秋といきたいが、本を読み始めるとすぐに眠くなって知らないうちに落ちていることばかり。
本に伏しいつか寝落ちの長い夜
11月○日
秋から冬への移行期は朝夕と昼の温度差が大きく、何を着て良いものか迷う。出がけに着ていった厚い上着も気温体温の上昇と共に邪魔なものに。
寒暖差朝霧晴れて上着脱ぐ
11月○日
凛と冷えた朝の空気に触れる日が増えてきた。どこかで火をたいて暖をとっているのだろうか朝の空気に炭やたき火のにおいがかすかに混じってきた。
北風に炭の香混じり冬立ちぬ
11月○日
近くの沼地にも鴨の群れが飛来していた。草木が枯れて寒々とした岸辺もまたにぎやかになった。
群鳥の渡り来たりて冬湖岸
11月○日
朝早い移動のために出かけた田舎のバス停は刈り取りの終わって静まった田んぼの中にポツンとあった。昇ってきた朝日が田んぼ一面の霜を照らし、きらきらとまぶしかった。
霜光る田畑の前でバスを待つ