ますます秋が深まり空はいよいよ高く、夕は何者かに急き立てられる | 酒とホラの日々。

ますます秋が深まり空はいよいよ高く、夕は何者かに急き立てられる

秋空

10月○日
どんどん日が短くなる。午後にもたもたしているとあっという間に夕闇が迫って来る。のんびり買い物もいいのだが、急き立てられるように帰り道を急ぐ買い物客の群れ。
  秋の暮れ灯下菜を買い急ぎ足

10月○日
今年の中秋の名月は光量4割増しのスーパームーンだったとか言っていたが、特別意識してもいなかった。後日改めてネットで確認・・・ふん、PCの画面じゃ分からないな。
  名月も酒で忘れてYouTube

10月○日
涼しくなるとあっという間に、落ち葉の季節に突入しつつある。だがはらはらと舞い落ちる落ち葉に想いを巡らせてばかりもいられない。山のように降り積もる落ち葉との戦いの始まりである。
  風情とは云へど恨めし落ち葉掻く
 
10月○日
晴れた日の秋の夕暮れは美しいものだが、一時天地を満たした暮れ色もあっという間にモノトーンの闇に落ち込んでいく。秋のはかなさが人間をいっぱいにする。
  だいだいに暮れなずむ空窓染める

10月○日
窓を開けると工場にでもいるような虫の音の喧噪に包まれていたのもつい先日のこと。夜毎にだんだん音は減って、残った虫もしだいに静寂の中に吸い込まれていく。
  静けさへ溶ける虫の音秋深し