失っていく夏への想い2015
お盆の時期ともなると、
すべてが夏一色という気候でもなくなって、
そこここにわずかながらも季節の巡りを
感じずにはおられません。
朝夕の空気の変化
濃くなった夕焼けの色
高いところに現れた雲の群れ
地面に落ちたセミ
夜ごとに高まる虫の声
道ばたの草のふくらんだ実の色
これらはどれも
夏の頂からその先の秋への道を見晴らす
眺めに他なりません
こうして草の実の一つ色づくごとに
私たちは夏を少しずつ失っていくのでしょう。
毎年やってきては去っていく夏への想いは
人それぞれ様々でしょうが
夏の終わりには人の心を揺さぶる独特な
空気が満ちているようです。
夕暮れ時にはふと立ち止まり
過去から何度も繰り返してきた夏の終わりの
気分を振り返ってみるのも悪くありません。