サマータイム制度で目指す死ぬほど豊かな未来 | 酒とホラの日々。

サマータイム制度で目指す死ぬほど豊かな未来

なんでもとうに死んだだと思ってた「サマータイム制度導入」の法案成立を目指す超党派の動きがまた息を吹き返してきたようですな。
なんで今頃サマータイム? そんなものになんでそんなに血道をあげるの?ここはひとつ推進派議員のセンセイにインタビューしてみましょう。。。。

(センセイの談)
皆さんねー困るんですよ、私のサマータイム法案に反対なんて言ってもらっちゃあ。今日本がどんな事態に見舞われているかわかってるんですか?、今の日本を家庭にたとえるならそれこそ、
「お父ちゃんの会社は放漫経営と投機失敗で倒産寸前、嫁さんは外の男に貢ぎまくり、息子はカンベツ所だし娘はガッコも行かんでプー子だし、同居のボケた爺さんの代からふくらんだ借金返す当てもなくて、今日にも怖い取立てのおっさんが押しかけてきて身ぐるみみはがれるんじゃないかという状況」
なんですから。
今こそこの未曽有の国難に国民の力を結集して取り組まねばならんというのに、やれ、早起きは嫌だとか、それ、省エネ効果なんて微々たるもんだとか、文句つける連中ばっかりだ。

これまでだって私がどんなにか努力してきかよく知ってるでしょう?
銀行の「ゼロ金利政策」に保険の「予定利回り引き下げ」、「ハイリスク型金融商品」の垂れ流しでもって、国民の皆さんの金融資産をせっせとかすめとって、いや、国家や大企業に移管を進めてきたわけで、あとはなんとか「預金封鎖」とハイパーインフレでも起こすだけかなというところまで来ておるわけです。でも、60年前の終戦直後ならともかく、現代はまだそんだけでは足らんのです。世の中社会には将来は今より良くなるという希望も見通しもなければ、国家一丸となってという気概もない。そんな世の中でこれから何が起きようとも、皆さんには必至に寝る時間もけっぺずって働いてもらわねばなりません。 そこでこの「サマータイム」の登場となるのはわかってんですよね? そりゃあこれまでだって、「裁量労働制」だの「成果主義人事」だの実質賃下げしてみっちり働いてもらう工夫はいろいろしてきましたよ。でもまだ足んないんですな。思い起こせば欧米の圧力に負けて労働時間の短縮なんて安請け合いしたのが良くなかったのかもしれません。いっぺん時短やったら引っ込みはつかんし、みんな勝手なことほざいて働かないようになってしまった。

そんで「サマータイム」、なかなか名案ですなあ。省エネなんていう直接効果は微々たるもんだし、間接効果も耳障りのいいお題目なんだからうっちゃっておくとして、この「サマータイム導入のコスト」こそはまるで金のなる木、私にはもうウハウハものですな。だって、適当な試算でさえ時計やコンピュータの切替だけでも一千億円ですし、新しいサマータイム対応機器やら、簡単になじめない人のための対応グッズの便乗販売は出るし、少なくとも一時間は会社に早く出てきても夕方まだ暑いから会社でサービス残業する風潮の醸成も楽だろうし、お調子者がまだ明るいからといって早くから遅くまで遊んでてくれるだろうし、いいことずくめなんですな。
24時間しかない一日の時間の個人の取り分をふんだくる、いやいや、社会的生産活動に移管するいい方策ですよね。

なに?、あんたはこんだけ言ってもまだ文句言うか? 真っ暗な内にラジオ体操なんかできない? 夏の星空観測会がとんでもない遅い時刻に開始になってしまう? 余裕のある豊なライフスタイルと矛盾する? 
あんた、何言ってんですか、ダメダメ、そんな金のかからない遊びなんか、ダメに決まってるじゃないですか。豊かなライフスタイルは豊かな消費からって言うじゃないですか、まだ明るいうちに時間があるんだったらデパートやショッピングセンター、有料スポーツジムにでも行ってくれなきゃ。
惰眠は敵だ!、一億早起き! サマータイム制度万歳!
 死ぬほど働いてきっちり浪費!
 そしたら私も安泰というわけですな。


センセイの話はまだ続くのだけれど、私は睡眠時間はきっちりとるタイプなのでもう寝る。たとえサマータイム制度が私の時間を奪おうたって。